【15~21日目】臨床で使えるお灸をめざして【板上施灸・紙上施灸】

やいとSTATION

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告を利用しているものがあります

2週間板の上に、ひたすらお灸をする毎日。ご苦労さまでした。
なにか発見はあったでしょうか?
上手くなるコツは、上手くなるように考え行動することです。

いたたに
いたたに

色々あったとは思いますが、こっから本番。

目標 リズムはそのまま、底面の形を揃えよう

今までやってきたこと

今までの練習は、モグサの形は気にしないで、リズム(1秒1動作)に合わせてお灸に点火するまでの一連動作をするというものでした。

とにかく、鍼の片手挿管と同じ、お灸を操作するための手の運動でした。
1分15~20壮3分50~60壮という目標値は設定していましたが、それだけの事です。

リズムに合わせて据えることが出来ていれば、確実に1分20壮据える下地は出来上がっています。
ここまでで下地作りは終了です。

モグサの底面を揃える。

モグサの底面を揃えると言っても、何が何でもという訳ではなく。

目的に合ったモグサの底面(サイズ)で、モグサを据えることが出来るようになる。

ということです。
やり方は、人それぞれあるので、「リズムに合わせて据える」という一律のやり方はありません。

ここからは、私の考えで、こういう風にしたら上手くいくのでは?という考えを述べていきます。
やってみて良かったら取り入れてみて下さい。

そもそも、なぜ底面?

お灸の熱量は、どこから伝わるのか?
これについては、モグサと皮膚の接点である底面だと考えています。

熱くするためには、固くするなど色々言われています。
ですが、上部がいくら大きくても、点灸の大きさでは、それ程大きな刺激の熱量になることは無いです。

長さ1センチ底面2ミリ と 長さ5ミリ底面2ミリ どちらが刺激量が多いでしょうか?

底面が一緒なので、熱量は長さ1センチの物が刺激量が多いはずですが、おそらくどちらも感じ方は変わらないです。
皮膚に感じるお灸の熱は皮膚面数ミリからしか感じないからです。

なので、見た目が悪くても、底面が同じであれば、似たような刺激量に揃えることが出来ます。
モグサの硬さ(モグサの質量)を調節すれば燃える時間が変わるので刺激量も変わりますが、現時点では、15~20壮置けるようになったリズムで、底面を揃えていきましょう。

いたたに
いたたに

熱量自体は、モクサスなどの灸熱測定器を使えば出すことが出来ます。
ですが、それはまたの機会に

目指す形は?

モグサの形といえば富士山型の、円錐型!
大抵モグサを絵に書くと『▲』だと思いますが、これではダメです。

目指す形は砲弾型。
先が尖って、真ん中太め、底面細め。

もちろん、ずっとやっている中で、全部が全部この形という訳には行かない。
死守する所は「底面」です。

皮膚と触れるお灸の底面は、熱を伝える重要部分。
台座灸で言うと、台座の穴です。

底面が一定になれば、上が大きかろうが小さかろうが、安定したお灸が出来ます。
円錐がダメといった理由は、広がった縁がヒゲと同じ要らない熱さを感じさせるためです。

施灸板を使う。

施灸環境:施灸板

メトロノーム(60テンポ3/4)

1秒1動作 ①ちぎる → ②台に置く → ③火を点ける 【①に戻る】

ちぎり出し

モグサのサイズを決める要因は、殆どが左の揉み手です。
一定のモグサを捻り出していればだいたい同じようなガイシュが出来ます。

練習後の揉み手を確認してみて下さい。
モグサをちぎり出す所は一定ですか?
一定であれば右手の灰の汚れが、一箇所に集中しているはず

もし、アチコチに汚れが付いていれば、ちぎり出す場所が一定になっていな証拠。
モグサのサイズにムラが出来やすいです。

10分練習後の揉み手
10分練習後の揉み手

なかなか安定しないぞ。という先生方はモグサ以外の物でも練習してみてはどうでしょうか?

こより作り

準備物
 2枚重ねのティッシュ1枚

作業
 ティッシュを4等分にします。
 合計8本の短冊テッシュが出来ますので、
 2枚組を2セット、1枚物を2セットを用意します。

どうしても、モグサを捻っている間に持ち替えたりで揉み出す所が安定しない。
そんな時は、ティッシュでこよりを作ってみましょう。

まずは1枚物から行います。
モグサを撚る揉み手側で人差し指と親指の指先でティッシュをつまみ、関節へ捻っていきます。
捻りきったその位置が、ちぎり出しの位置です。

こよりは、そのまま元の位置に転がすと撚りが戻ってしまいます。
ですので、千切り手(右手)で出た分を持ちまた、左手の指先でつまみ同じ様に捻ります。
あとは、繰り返しで細いこよりが出来上がります。

次に2枚組を出して下さい。
先ほどと同じくらいの力で、同じ様にこよりを作ります。
1枚物よりも太いこよりが出来たと思います。

ここから力加減の練習です。

1枚物の短冊ティッシュを用意して下さい。
やることは一緒なのですが、これを先程の2枚組と同じ太さになるように捻って下さい。
先程よりもかなり力を抜いて捻ることになります。

最後に2枚組を用意します。
こちらは、一番最初に作った1枚物のこよりと同じ太さになるように捻って下さい。
かなり硬く、力を入れて捻ることになります。
がんばってください。

やり方の動画は、やいとStationチャンネルでアップする予定です。

鍼柄転がし

モグサが捻り出す時に、太くなったり細くなったりする原因は、肩の力が入りすぎている。
と言ってしまえば終わりなのですが、出来れば誰でもしてますよね。

鍼の持ち手部分を使用するのですが、使用済みの鍼をねじり切るかして確保して下さい。
または、それに類似する細さの物、仏壇用の線香でも構いません。

これをモグサを捻るように指で転がすだけです。
何度か転がしてから千切り出す分だけを出すということをしてもいいと思います。

鍼柄だけでなく、他のもっと細いもの、鍼管などの太いものを使ってもいいです。
スムーズに転がる感覚を覚えましょう。
細い物を使った時に力が入ると指同士が擦れてころがりにくくなるので色々やってみることです。

モグサは、力を入れて転がすと、モグサの密度のままに硬く固まります。
フワフワのモグサは、力を入れて転がすと細く
硬いモグサは、力を抜いて転がすとフワフワ
揉み出す作業は、バラバラの密度のモグサを一定に揃える作業だと思います。

ヒゲの対処

モグサの底面を揃えていこうとすると、問題になるのがチョロっと飛び出た、モグサのヒゲ。
これがお灸をする時にアチッっと言わせる原因。

ずっとやっていると、100%対処するのは無理。
それでも、可能な限り減らす努力はします。

硬く揉み過ぎない

緊張したり、速くしないと、と考え出すと肩に力が入って自然と手に力が入ります。
そのせいか、モグサを丁度いい太さに出来ているのに、更に細くモグサを硬く捻ってしまいます。

モグサは繊維の塊なので、揉み込み過ぎると繊維同士が絡み合い、長い繊維状になってしまいます。
なので、手の感覚でこの太さでいいと思ったら揉み手は止めてしまいましょう。
また、太いなーと感じたら手を動かします。

丁度いい太さはどのくらい?

大体、爪楊枝の太さより心持ち太い感覚です。
数字でいうと2.5~3ミリ(爪楊枝で2ミリ)
実際する時に測っていられないので、爪楊枝などを手で転がして感覚をつかんで下さい。

ヘビモグサ

ヘビモグサ(すでに細くしてあるモグサ)を用意している先生もいるかも知れません。
ただ、それだとヘビモグサ以上のサイズ変更が出来ないのでオススメしません。
鍼の番手レベルで用意してあれば別ですが。

右手でちょっと捻る

ちょっと難しいかもしれませんが、モグサが手から離れにくい先生にも有効です。

やり方としては、左手からモグサを千切ってしまって、施灸面(板、皮膚など)に置く時に、半捻りする方法です。
ヒゲが出ている時は、少しつまみ込んで半捻り。きれいな砲弾型になります。

捻る都合上、モグサ量の少ないと、糸状灸レベルまで細くなるので注意です。

紙の上に施灸する

施灸環境:紙上施灸用紙

灸点リング使用

ここからは施灸用紙を使用します。
施灸用紙は準備編にてPDFファイルがダウンロード出来ますのでご活用下さい。

灸点リングの注意点

今までの板とは違い、立てにくいですので、灸点リングを使って施灸面を湿らせて下さい。

灸点リングを利用して、紙を湿らせますが、ちょっと湿っている程度で、底面がしっかり出来ていれば据えることが出来ます。
紙がシワシワになっていればそれは濡らしすぎ注意です。

紙上施灸をする意味

施灸用紙の目的は、熱量底面の形の確認です。
紙の上に火を点けるので、焦げます。

この焦げを利用して、
  熱量(紙に穴が空いたか空いていないか)
  底面の形(焦げ跡の形)
を確認します。

目標とするモグサの底面は2ミリですので、空いた穴は1ミリ以内くらいが良いと思います。
全く穴が空いていないというのは、透熱灸としては不十分です。

各学校の指導として、
穴を開けてはいけない、針の穴位など色々基準があるのはわかっています。
とにかく、今は透熱灸をするという体での基準です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました