お灸の標準サイズってどんなのか知ってる?
米粒大とか、半米粒大とかですか?
そうそう、でも実際のサイズってわかるかな?
えーっと(艾を捻る)
米粒大でこのくらいですか?
前に行ったセミナーで見た米粒大はもっと大きかったよ
そうなんですか。
学校ではこれで良かったんですけどね
思ったことはありませんか?
セミナー講師の据えるお灸のサイズがバラバラだということ
目的に合わせているのだろうけど、口を揃えて米粒大と言っていること
というわけで、お灸の大きさについて考えてみたいと思います。
米粒大の謎
米粒大というのはお米の粒のサイズよりちょっと大きいというそのままの意味。
大きなサイズになると小豆大と言ったと、植物の種を表現に使っている。
日常に目にするサイズで、丁度良かったからこういう表現なのだろうと思う。
教科書にはこうある。
米粒大のガイシュは、円錐形で、底辺2.5ミリ、高さ5ミリ、重さは1.3mg程度のもの・・・
医道の日本社出版 はりきゅう実技<基礎編> 32p
推奨サイズは決まっているが、お米のサイズのイメージだよね。ということ。
別の見方をすれば、米粒と同じくらいの重さ(量)の艾という考えもできる。
サイズはともかく、燃える量を定量化できれば刺激の量はあまりかわからない。
燃焼する量が同じなら出すエネルギー量は変化しない。
筆者の感覚では、重さのほうが何となくしっくりくる気がしている。
きっちり測って何mgというわけではなく、手量りではある。
しかし、以前秤にかけたら意外と重量は安定していた。
ただし、教えるにはお米サイズのイメージのほうが楽だしわかりやすい。
どう考えますか?
ちなみにお米の粒のサイズは品種によって違う。
標準サイズ
標準サイズという言い方は筆者の思いつき。
これには、特に決まったサイズはない。
自分が一番作りやすく、安定して作れるサイズの艾のこと。
サイズ変更にしても、大きくもできるし小さくもできる中間サイズ。
つまりは、米粒大という言い方になる。
鍼とは違う規格化されないお灸だからこそ、標準は自分が作れないと意味がない。
お灸の熱さを決めるものは?
お灸で感じる熱さは、見た目の大きさはあまり関係なく底面の大きさ、艾の硬さ、まとまりで決まる。
他にも接地面など先生によって色々あると思うが割愛
底面の大きさは、着火した火が皮膚に晒される面なので当然広すぎれば熱い。
逆に小さすぎると急に熱を感じて強く熱さを感じる。
艾の硬さは、燃えている時間が変わる。
皮膚の上に長く火が残れば当然熱い。
まとまりは、必要なツボに艾の底面が収まっているか?ということ
不必要に艾が広がって燃えるととても熱く感じる。
途中で消すにしても、予想外の燃え広がりで不必要な熱感を感じさせてしまう原因にもなる。
自分の標準がない練習時点で安定させたいのは底面の大きさ
熱の入れ方だの燃え方だの色々言われるが、練習時点では艾底面のサイズの安定化が重要
それが、自分の標準サイズになっていく。
底面さえ決まってしまえば、上の部分は用途に合わせるのみ
フワッと熱を入れたければ、艾の量を減らして捻りを柔らかく。
しっかり熱を入れたければ、艾の量を増やして捻りを硬く。
見た目のサイズは両方同じになるはず。
自分標準を持っておくメリット
臨床においては、安定してお灸を据えられるという当たり前のメリット
それ以外では、セミナー参加で先生が据えている艾についての理解が深まる。
最近はオンライン講座が増えて見ているだけなことがあるが、講師の据えている艾を再現しようとしたことはないだろうか?
硬い、軟からかい、大きい、小さい、形など見て触って記録する。
さて、ここからどうしよう。
わからないことが多いのではないだろうか。
そんな時でも、記録時に自分の艾より硬い、柔らかいというふうにすると、後で再現が容易になる。
比較対象がなければ、再現しようと思うと講師に直接、手取り足取り教えてもらえないと難しいというより無理。
新しい知識を得る土台としても自分基準はあると有利だと考える。
ちなみに鍼に関しては、番手、長さなどが規格化されているのでお灸ほど難しくはない。
習得が簡単という意味ではないが・・・
まとめ
見た目サイズが違う艾を、すべて米粒大と呼ぶ理由は、その先生の中間サイズの呼び方だから。
実際、米粒大が当たり前に捻り出せる先生は、大きくも小さくも作り分けが上手である。
標準サイズは自分が一番得意とするサイズの艾
お灸の熱の入り方を決めるのは、艾の底面の大きさ
上部のサイズは、安定していればなお良いが、見た目が良くても底面がバラバラは受け手が辛い。
標準ができれば、それは自分の基準
新しい事でも、自分を基準にしていれば忘れることなく、活用することが出来るようになる。
以上
個人的意見なので異論、疑問があっていいと思います。
よかったらコメントにどうぞ
お灸を据えるのが遅いから、きれいに据えられないからという理由でお灸をしていない人
基礎練習を1週間でいいからしてみてはどうでしょうか?
やっぱりお灸はムリーという人には電子温灸器もあります。
一灸は、今実施中のセミナー「一灸エステ」で使用されています。
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